春の山菜:コゴミの胡麻和え
山菜と言えば、姑様は山の先生。一緒に連れて行ってもらい随分山を歩きました。「山ではちょっと歩いたつもりでも、思いがけなく遠くまで歩いているもんだよ」と教えてくれました。コゴミ、わらび、シドケ、タラの芽、山椒の若芽(かっこわらび=親指ほどの小さなワラビをたくさん取った時は必ず近くでホワッと山椒の香りがしたものです)、じょな(多分アブラコシの事)、軍手してても取る時チカチカする…う~ん、汁の色は悪くなるけど、すごくおいしいダシの出る山菜で…何と言ったっけ・・・こういうのがすっと出て来なくなりました。この何倍もの山菜の名前を覚えたのに。
コゴミは山でも早めに出てきました。姑はこの料理を「きりや」と呼んでいましたが、茹でて細かく刻んだコゴミを味噌、砂糖、ごまで和えていました。同じ材料を使っても、姑の味に及ばないのは、もう二度と食べられないという感傷がプラスされているからでしょうか。「コゴミ、きりやにすっが?」姑の声が聞こえてきそう。
大好きな「孟宗」の季節が始まりました。今スーパーに並んでいるのは『熊本産』のようです。サクラ前線から少し遅れながら北上してまいります。産地が近付いてくるのを見ながらこの季節10回ほども「孟宗汁」を煮て食べます。姑さんから習った「孟宗汁」は煮干しで何時間も煮て厚揚げを入れただけのシンプルなものでした。これにシイタケや粕、ネギなどを入れて作るのがこのあたりの一般的な食べ方のようです。姑さんは山の中の農家に嫁ぎました。むかし自分ちの山で取れる孟宗と、移動販売の車から厚揚げを買い、この若い嫁に作ってくれました。ごくたまに豚肉が入ることがありました。それなりに美味しいのですが、なんといってもシンプルいずベスト!。自分ちの孟宗が取れるようになるのは5月20日の酒田祭り頃。時々料理上手だった姑さんを思い出します。あの味はもう食べられないのか、と寂しく感じることがあります。
わかみやのマロンさん(調理員さん)はとてもお料理上手で、他事業所のケアマネジャーさんからも「わかみやのお食事は美味しいと利用者様から聞きます」と嬉しい評判を得ています。
今日のメニューもおいしい「孟宗汁」、とてもおいしい「大根とやわらかモツの煮込み」、春らしい「菜の花と湯葉の和え物」でした。
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